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太極拳の魅力
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太極拳とは
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宇宙の存在は陰陽です。太極図も、丸い空間の中に陰陽の太極魚の頭としっぽがつながっています。つまり、陰の次は陽で、陽の次は陰だと言うことです。
世の中もし陰陽がなかったらどうなるでしょう。例えば、一日二十四時間、昼ばかり、あるいは夜ばかりになったら大変でしょう。一年中夏ばかり、あるいは冬ばかりだったら農作物ができなくて、人間の食べ物がなくなるでしょう。人間の体も同じく、陰陽のバランスがうまく取れ.なかったら、病気になります。
妙手一運一太極と太極拳論に書いています。つまり、太極拳は開始から終わりまで、動作はすべて陰陽交替しています。
陰陽現象はたくさんありますが、例として次のように挙げます。
陰に属する現象 "吸、合、虚、屈、蓄、退、入、収、化、柔…"
陽に属する現象 "呼、開、実、伸、発、進、出、放、打、剛…"。
陰陽に属する現象はまだまだたくさんありますがここでは省略します。
中国医学では"通則不痛、不通則痛"という言い方があります。つまり、体の経路が詰まっている処があれば病気になり、経路が詰まって居るところがなかったら病気にはなりません。
では、どうしたら経路がつまらないようにできるでしょうか。
体を延ばすことはいい方法のーつです。幾何図形でわかるのは、丸い図形の円周がほかの図形の辺の長さの合計より長いことです。人間の体の関節も自然に曲がっています。丸い運動は養生用では体と経路を十分に延ばせます。
実戦では"辺化辺打"「化勁(相手からの勁を自分の体以外の方向へ作用させる)をしながら、相手を打つこと」ができる運動です。
宇宙の"三宝"は日、月、星、で人間の"三宝"は精、気、神と言われています。
宇宙には日、月と星があるから、すべてが存在できます。体には精、気と神があるから、生きて行けます。この精、気、神を強くするためには"気沈丹田"が大事です。
"気沈丹田"をうまくするには、"虚領頂勁""立身中正"沈肩墜肘""含胸抜背"松腰落跨"と"用意不用力""以心行気、以気運身"などが大事なことになります。
そのほか、全身"放松"と"上下相隨""一動無有不動・-到無有不勁"などもうまくしなければなりません。
太極拳は歴史長い武術の一種として今まで発展してきました。套路だけでも何十種類もありますが、そのほかに、太極刀・太極剣・太極槍・などの器具練習と太極対練、太極拳推手、太極散手などの二人で行う項目と発勁などの練習もあります。各練習がすべて要求通りになるまで学問が深いのです。
太極拳の総原則は松・穏・慢と、そのほかにまだたくさんの大事な原則があります。
総原則は他の原則を実現するためのもので、他の原則も総原則を守る前提の下で実現します。
この後は、太極拳の原則、要求及び一般知識などについて説明します。
まず、太極拳は拳です。武術です。
ただし、この拳は太極の原理に合う拳です。
太極は宇宙の自然法則です。
太極は陰陽です。
つまり、"陰陽"は太極拳のひとつの大事な基本的な原則です。
攬雀尾は掤・捋・擠と按の四つの動作でできています。
まず、今まで虚になっている右足は徐々に実にします。同時に、両手は前へ掤して行く。今の呼吸は呼で、動作は開で、内勁は実になっています。しかし、このままずっと開していては行けません。太極圖を見れば分かりますが、陽の次は陰です。つまり、開の次は合で、実の次は虚で、呼の次は吸です。掤が終わったかと思うと、次の捋にはいっています。
"似到非到、似停非停。其形若止、其意不止。一気運行・絶不停留。着着貫串・勢勢相承"。捋をし始めてからは吸と合と虚が始まります。擠はまた呼、開、実で、按は吸いながら後ろへ合をし、―つの円を描いて、前へ按して行きます。この例を見れば太極拳の陰陽はいつも交替していることが分かるでしょう。
ここで四正推手のやり方を説明します。基本技法は化と打です。打手歌に"掤捋擠按須認真、引進落空任人侵、周身相随敵難近、四両化動ハ千斤"と書いています。もし、推手の時、陰陽の変化がなかったら、最初の搭手(推手の双方が同じ手を一本出して、相手の手首と接触して、両方とも掤それから推手が始まる)ですぐに抵抗してしまいます。結局、"手快勝手慢、力大勝力小"の結果になり、太極拳の"引進落空、以小制大、以柔克剛"などの特徴は全然なくなってしまいます。もし、太極拳の陰陽変化の技法を利用して、相手が掤して来たら、抵抗しないで、捋を使って、相手の掤勁を化して、相手を打ったらよりいいではないですか。逆に、相手は捋されたら、すなわち掤を擠にして、捋を化します。今度はこちらは擠をされると、前の捋を按にして、相手を化打します。こういうふうに、二人が掤・捋・擠・按で円を描いている聞に、自分に有利なチャンスを見つけて、小さい力で楽に相手に勝ちます。
拳譜では"以心行気。以気運身。心為令、気為旗。気以直養、無害。全身意在神、不在気、在気則滞"などの規則が書いています。つまり、太極拳は意識で意識を訓練する拳で、気の練習をする拳です。 太極拳だけでなく、すべての武術は皆意識の支配の下でいろいろな動作をやっているはずです。しかし、武術の種類によって、剛・柔・快・慢などの区別がある訳です。太極拳は松・穏・慢、の状態で練習する拳で、他の武術と、力の使い方が違います。力と速度で勝つ武術はもちろんその力と速度から攻防作用を想像しますが、一方太極拳は"先化後打"(まず、相手からの力を無くしで"化"、相手を打つ"打"のやり方)からその攻防作用を想像します。この想像方法の違いで、結果も全然違って来るから重要です。また、力と速度で勝つ武術の動作はただ初めと終わりの両点、あるいはその中の一点だけ意識の支配を受けています(発すると命一杯まで発、戻ると命一杯まで戻る、中間の余裕がない)。太極拳はゆっくりしていますから、動作の全過程皆意識の支配を受けています。止めたかったら止められるし、進めたかったら進められます。技法から考えると、-つは運動しながらカンフを"神明"の段階まで想像し続けて、つまり、精神的な力で肉体を訓練し、無意味な動きをしない習慣を養成します(厳しい訓練を受けない限り、だれでも、実際戦うと無意味で無駄な動作がでてくる、つまり"穏"がたりない)
"以心行気、以気運身。意到気到、気到力到"などの気は呼吸の気ではありません。ここの気は神経中枢、神経繊維と神経抹梢の事を言っています。人間の体は意識と神経中枢の命令を受けて動きます。精神を集中しなければ太極拳だけでなく、他のこともうまくできないでしょう。太極拳の"聽勁・化勁・階及神明"なども高度な精神集中状態のなかでできることです。-つの技のなかで"聽・問・拿・化・放"ができるということは、実に一瞬間のこと(訓練の結果、条件反射になる)で、集中力が分散すると、できないのです。ですから、太極拳は肉体の訓練よりも、精神的な訓練をより大事にしています。
うまくできるまでは確かに時間がかかりますが"十三勢歌訣"にある"勢勢存心揆用意、得来不覚費工夫。工夫無息法自修"などの言葉は、いつも意識の訓練を大事にすれば、必ず太極拳の高級段階に入れることを意味します。
拳譜に"虚領頂勁・気沈丹田・含胸抜背・沈肩墜肘、坐腕凸掌。松腰・斂臀・開胯屈膝。神聚気斂・身手放長"という全身への要求を書いています。
"虚領頂勁・気沈丹田"は体を伸ばすことを言っています,"虚領頂勁"は頭を真っすぐして、頭の真ん中にある"百会"を真上に向けて、肛門よりちょっと前にある"会陰"と一直線します。(立身中正、つまり、体を上に伸ばして、元気を出すこと)"気沈丹田"は気を丹田(へその下3センチぐらいのところ)に降ろします。
これで、体を上下に引っ張る意識があって、体が伸ばしている感じをします。
より腹式深呼吸がうまくできるようにと背中を伸ばすために"含胸抜背"は大事になります。"含胸抜背"はつまり、胸の力を抜いて、横隔膜が自由に上下に動きやすくするのです。自転車に乗っている形によくにています。同時に、胸が引いていますので、背中を上下に伸ばしている感じがします。一方、実戦中の"化勁"の動作はすべで"含胸"、"発剄"の動作はすべて"抜背"しなければなりません。しかし、"含胸抜背"は動作と一緒に変化します。背中を丸めていることと全然違います、気をつけてください。
練習するときは肩と肘を沈めなければなりません。"沈肩"は"寒肩"(寒い時肩が自然に上がる動作)と反対です。"墜肘"は肘を下に向けて、腕を伸ばすことです。"坐腕"は手首が下に沈んで、座っているような形で、"凸掌"は意識で内勁を指まで送って行くことで、得に定式(一個の動作が終わるとき)の時、乎のひらを(指と手のひらの付け根)を意識で少し突き出して、内勁を指まで届けます。まとめて言うと"沈肩墜肘・坐腕凸掌"によって、手を伸ばし、同時に、"気沈丹田"にもプラスになります。実戦中、"沈肩墜肘"は自分の脇を保護する作用があります。ですから、肘が脇から離れてはいけません、しかし、脇につけてもいけません。"肘不張・肩不松・胸不開・気不通"という言い方があります。つまり、"沈肩墜肘、含胸抜背"がうまくできなかったら、"気沈丹田"もうまくできません。練習するとき、肘と脇の問に常に、十センチぐらいの距離を保った方がいいです。
全身の動き、重心の調整及び剄力が体の各部分に届くためには大事な役目をしています。拳論には"主宰于腰""有不得機、不得勢之処、其病必手腰腿求之""命意源頭在腰隙""刻刻留心在間"と書かれています。これで太極拳は腰をすごく大事にしていることが分かるでしょう。腰への要求は松、沈と直です。人間の腰は自然に前へへこんで、お尻は後ろへ出ています。人間の上半身の重量は皆腰で負担していますから、腰は真っすぐにするとけがはしません。太極拳は人間の自然体勢(腰が前にへこんでいること)を直すために、練習するとき、"弓腰・坐腰・斂臀"つまり、自然体勢の凹腰と比べると、後ろへ引っ張られているようです。(弓腰)同時に下に沈んでいる(坐腰)からお尻は自然に前ヘヘこみます(斂臀)斂臀がうまくできなかったら、"尾閭中正神貫頂"と"立身中正"もできません。"弓腰斂臀"ができたら、"気沈丹田"にプラスになります。実戦中、腰の力には拳種でもみんな大事にしています。"掌腕肘和肩・背臀・膝脚・上下九節勁・節節腰中発"(全身の勁は皆腰から出している)と"低頭猫腰、伝授不高"(猫のように腰を丸めているなら、たいしたことがない)のいい方があります。
もちろん"弓腰斂臀"がうまくできるには、"開胯屈膝"と直接の関係があります"開胯屈膝"ももう一つの要求です。
胯(股関節)で腰と足がつながっています。股関節が"放松"(開胯あるいは松胯)しなければ、腰も足も自由に動けません。そして"気沈丹田"もうまくできません。一般の武術は後ろに出している足はほとんど真っすぐするように要求しています。しかし、太極拳は自然に伸びているような姿勢を取っています。しかも、屈膝の動作が多いです。これは虚実転換とバランスを取るためです。これも"含胸・弓腰"と同じ大事な姿勢です。
以上、太極拳を練習するとき、体各部分の要求について簡単に説明しましたが、これらの要求は動いている間に実現するものですから、できるまで時間が掛かるかも知れませんが、一般的に言うと、各動作の定式はまず各要求に合わないといけません。
次は、太極拳の一般常識について簡単に説明しましょう。
ここの"五弓成形"は体が五つの弓の様になっている姿勢のことです"沈肩墜肘"で腕は円になって、弓のようになっています(両腕で二つの弓)。"含胸後背"と"弓腰斂臀"で体が一つの弓になっています。"開胯屈膝"で足が二つの弓のようになっています。併せて五つの弓になっています。"合即出"は体が五つの弓がそろったら、もう発動の条件がそろったということです。
"起・承・転・合"は各動作の四つの段階です。"起"は動作の始で"承"は動作の続きで(起と承の段階は息を吸う、"蓄と発"と"開と合"で説明すると蓄と合です)"転"は動作の展開で、"合"は動作の終わり(定式)です(転と合の段階は息を吐く、"蓄と発"と"開と合"で説明すると発と開です)
"着着貫串"は前の動作の"合"と次の動作の"起"の間に止まらず、両動作を続けてやることです。
"慢・快・柔"は套路を練習する三つの段階です。初心者の方は"慢"(ゆっくりすること)から始まらなければ正しい要求通りに出来ないし、太極拳の本当の意味にも分かりにくいです。しかし、ゆっくりすると言っても、止まったり、緊張したりしてはいけません。套路を覚えて、太極拳についてある程度分かってから、スピードを変えて"快"の練習も(圖から方への練習、つまり、発勁の練習)します。しかし、"快"と言っても、要求に合わないとだめです"快"の練習をして、太極拳の剛の一面(発勁)も分かってから、またゆっくりする。しかし、今度の"慢"は第一段階の"慢"とは質の差別があって"柔"の段階です。つまり繰り返してたくさん練習して、体の中の、もともとの"拙力"を制して"内勁"がだんだん強くなります,"内勁"がもっと強くなっていくど"剛"になります(柔久剛自在其中、是為剛柔相済)。
太極拳は主に掤・捋・擠・按・採・挒・肘・靠の八種類ですが、他に、滾・錆・折・磨・弾・冷・正・側・定・断・刀・鋸・拍・踏・重などあります,その中、掤勁が一番大事な勁です。ですから、太極勁はすべて掤勁で、違うのはただ方向・角度・大きさなどです。
太極13勢は、掤、捋、擠、按(四正つまり、東・西・南・北)、採・挒・肘・靠(四隅つまり、東南・西南・東北・西北)と進・退・顧・盼・定(五行の金・木・水・火・土)まとめて太極十三勢と言います。


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